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オリクスとクレイクオンラインブックダウンロード

オリクスとクレイク

11/23/2020 11:51:13, 小説・文学の通販, マーガレット・アトウッド (著)


オリクスとクレイクの表紙

によって マーガレット・アトウッド (著)

3.8 5つ星のうち 13 人の読者

ファイルサイズ : 29.24 MB

人類がいなくなった海辺で、スノーマンは夢うつつを漂っている。思い出すのは、文明があったころの社会。スノーマンがまだジミーという名前だった少年時代。高校でめぐりあった親友クレイクとかわした会話。最愛の人オリクスとのひととき—。誰がこんな世界を望んでいたのだろうか。そして、自分はなにをしてしまったのだろうか。カナダを代表する作家マーガレット・アトウットが透徹した視点で描き出す、ありうるかもしれない未来の物語。【「BOOK」データベースの商品解説】人類が滅びた世界でひとり生き残ったスノーマンは回想する。いまはもうない爛熟した文化のこと。最愛のオリクスのこと、そして友人クレイクが何をしたのかを…。巨匠アトウッドの黙示録的大作。【「TRC MARC」の商品解説】

ファイル名 : オリクスとクレイク.pdf

オリクスとクレイクを読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
設定は未来ですし、遺伝子操作みたいなこともあるので、SF、って短絡すると楽しめないと思います。ここはじっくり腰を据えて読む、そうすれば十二分に得るものがあるはずです。それにしてもアトウッド、一筋縄ではいかない作家です・・・ ** タイトルだけで二人の人間が登場する物語だと検討がつきます。いや、そのまんまだろ、って言われれば確かにそうなんですけど。ついでに私は、カタカナの人の名前が二つ並ぶということだけでアップダイクの『ガートルードとクローディアス』を連想します。もっとあるだろう、首をひねって、アップダイクの小説の源流、シェイクスピアのことに思い至りました。早速、ネットをチェック。ありますね、まずは『ロミオとジュリエット』『トロイラスとクレシダ』『アントニークレオパトラ』『ヴィーナスとアドーニス』とまあ、有名なものから名前も知らないものまで。とはいえ、古典嫌いの私が読んでいないものばかり。ただ、男性と女性の名前が並んだ場合は、恋が、同性のときは争いが扱われることが多いのかな、ということだけは言えそうではあります。でも、オリクスとクレイクって男、女?第一、誰だ?と思って、カバー折り返しを読むと*人類がいなくなった海辺で、スノーマンは夢うつつを漂っている。思い出すのは、文明があったころの社会。スノーマンがまだジミーという名前だった少年時代。高校でめぐりあった親友クレイクとかわした会話。最愛の人オリクスとのひととき――。誰がこんな世界を望んでいたのだろうか。そして、自分はなにをしてしまったのだろうか。カナダを代表する作家マーガレット・アトウットが透徹した視点で描き出す、ありうるかもしれない未来の物語。*とあります。ここから読み取れるのは、主人公がスノーマンであり、以前はジミーと名乗っていたこと、オリスクはスノーマンの最愛の人であり、クレイクは高校時代の友人ということがわかります。む、予想と違ってタイトルの二人は主人公と関係がある人間であって、そういう意味では「スノーマンとオリクスとクレイク」が正しいのか、なんて取り留めのないことを考えてしまいました。で、後先になりましたが、造本は早川のものらしいしっかりしたものですが、一番目を引くのはカバー画でしょう。ボス「快楽の園」部分が使われています。ボスの絵って、案外使いにくいのじゃないか、って思うのですが、このお話にはピッタリとは言えそうです。装画●ヒエロニムス・ボス「快楽の園」部分(C)Erich Lessing/PPS、装幀●ハヤカワ・デザイン。主人公のスノーマンですが、昔、ジミーだった男で父親は〈オーガン・インク・ファームズ〉に勤務していました。ジェノグラファーで、遺伝学の精鋭でしたが、後に〈ヌースキング〉という会社に引き抜かれることになります。母親も〈オーガン・インク・ファームズ〉に勤め、父親と同じプロジェクトに携わっていた微生物学者です。オリクスはポルノサイトに出ていた少女の一人で、クレイクの恋人ですが、秘かにジミーとも関係したりします。なかに、ピグーンという豚のような生き物や、ラカンクというスカンクのような生き物、クレイカーというクレイクが作りだした人間が登場します。遺伝子操作によって様々な生き物を作り出す、それが悲劇を呼びます。制御できるはずのものが、暴走をする。そして人類が滅亡する。その時点から過去を振り返ったお話です。とはいえ、悲劇を悲劇として大仰に描くわけではありませんから、SF的な話ではあるものの、私たちが今まで読んできたようなものとはずいぶん様子が異なります。マーガレット・アトウッド、一瞬迷いましたが、以前『昏き目の暗殺者』を昔読んだきりかと思っていたら、『またの名をグレイス』も彼女の作品でした。〈暗殺〉とか〈殺人〉という言葉が出てくるのでミステリかと思っていたら、確かに事件はあるものの、濃密な時間が流れる本格的な文芸作品で、安易に飛びつくと時間ばかりとられるばかりで、困惑するかもしれません。SFとかミステリといったジャンル分けは無視して、作品世界にじっくり溺れる、それがベスト。