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捨てる神より拾う鬼 (文春文庫 縮尻鏡三郎)ダウンロード

捨てる神より拾う鬼 (文春文庫 縮尻鏡三郎)

11/22/2020 04:33:23, 文庫の通販, 佐藤 雅美 (著)


捨てる神より拾う鬼 (文春文庫 縮尻鏡三郎)の表紙

によって 佐藤 雅美 (著)

3.9 5つ星のうち 5 人の読者

ファイルサイズ : 24.8 MB

故あって勘定方から追われた拝郷鏡三郎は、大番屋の元締に納まり、日々持ち込まれる厄介事を捌いている。素姓の知れない“お姫様”を預かったある日、娘婿から突然、離縁を言い出され、仔細を聞けば、これが面倒な話、勝気な娘はどんな所業に及ぶことやら…。市井の事件と鏡三郎の親心が織りなす人情ドラマ。好評シリーズ第四弾。【「BOOK」データベースの商品解説】

ファイル名 : 捨てる神より拾う鬼-文春文庫-縮尻鏡三郎.pdf

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格言的タイトルと、そこへつながる物語の妙が魅力の時代小説。縮尻鏡三郎シリーズ第四弾。 ** 幕閣の政争に巻き込まれ、御家人から大番屋の元締めに落ち着いた拝郷鏡三郎。大番屋は、小伝馬町の牢へ送る前の下調べをする仮牢兼調所である。大番屋の長である元締め仕事は、仮牢への入出数の確認と、恐ろしい小伝馬の牢へ連れて行かれる前になんとか手心を加えて欲しいと、頭を下げに来る親兄弟や店の主人などの頼みを聞くこと。そんな仕事柄、なんだかんだと頼りにされて、鏡三郎の元には、今日も様々な依頼が持ち込まれる。本書は縮尻鏡三郎シリーズの第四弾。物語の始まりは、鏡三郎の元に持ち込まれる依頼を起点に話が展開していくものから、飲み仲間の世間話から広がっていくもの、娘知穂と婿三九郎のごたごたなど、さまざま。しかしその構成は、まったく結びつかないような二つの話が、最終的に一つとなり、各話の格言のような特徴あるタイトルへと結びつくというスタイルで共通しており、読者を楽しませてくれる。その特徴的なタイトルが並べられた本書には、八話収録されている。●娘知穂の一言が、困り果てた状況に新たな展開を生む、第一話【知穂の一言】●世の不思議を思い知らされる因縁話が、さらに因縁を生む、第二話【陰徳あれば陽報あり】●鬼の所行をはたらく不良旗本に端を発した騒動を描く、第三話【捨てる神より拾う鬼】●剣の吉凶を占う剣相見の回りで起こった剣難の奇譚、第四話【剣相見助左衛門 剣難の見立て】●娘知穂が持ち込んだ、友人で寄席の三味線弾きおふくの哀歌を描く、第五話【届いておくれ涙の爪弾き】●老若男女にかぎらず、子供でさえも小さな物語を持つと言うことを材にした、第六話【母は獄門、祖母は遠島】●ことさら善人ぶったことから足がついてしまった悪人の不運、第七話【過ぎたるは猶及ばざるが如し】●日本初の算術所『塵劫記(じんこうき)』が思わぬ事件解決につながる、第八話【絹と盗人の数を知ること】本書の面白味が減ってしまうので、これ以上内容に触れないが、それでも要約した内容とタイトルからも興味のそそられる話が多い。そんな物語の面白さの他にも、厳しい境遇におかれる子供や、婿と離縁して春の訪れる気配もない娘知穂などを描きながらも、カラッとした暖かさが心地よかったり、遺言書の取り扱い方や、日本初の算術所『塵劫記』を材にするなどの日常社会を描いて、江戸の世界を身近に感じさせるなど、たくさんの魅力に満ちた一冊である。