Chiba Book - Free Books

Ebooks And Texts

京都・美山荘花もごちそう mobiダウンロード

京都・美山荘花もごちそう

10/08/2020 15:10:56, 暮らし・実用の通販, 中東 和子 (著)


京都・美山荘花もごちそうの表紙

によって 中東 和子 (著)

未評価 5つ星のうち 1 人の読者

ファイルサイズ : 29.24 MB

自然豊かな京都は花背の辺り。摘草料理で名高い旅館「美山荘」の女将さんによる四季折々の花いけ、花もてなしを紹介。いずれも流儀などとは無縁のすがすがしい姿。土地の祭や花の案内も加えて。【「TRC MARC」の商品解説】

ファイル名 : 京都-美山荘花もごちそう.pdf

以下は、京都・美山荘花もごちそうに関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
山里の野趣と都会的な洗練を融合させたもてなしで人気の京都の奥にある日本旅館・美山荘を写真と文で紹介 ** 古都・京都には伝統ある神社・仏閣など多くの文化遺産があり観光の名所としても人気があるが、一方では豊かな自然を抱え、風情ある四季の移り変わりが現代においても堪能できる貴重な土地柄でもある。とりわけ京都の西方に位置する貴船、鞍馬あたりから美山町にかけては杉木立を背景とした堂々とした景観が見事であり、江戸時代中期に建てられた入母屋作りの建物が残る美山町は重要伝統的建造物保存地区に選定されている。その美山町に行く途中を大悲山口から入ってしばし歩いたところにあるのが、摘み草料理、懐石料理で知られる日本旅館・美山荘だ。三代目・当主中東(なかひがし)吉次が発案した摘み草料理は、いにしえの大宮人が野に出て遊んだ摘み草の行事をヒントとした優雅な心意気に溢れ、山里の野趣と都会的な洗練を融合させた心尽くしのもてなしとして静かな人気を呼んできた。1993年、中東氏亡き後は、妻の女将、和子さんが遺志を継ぎ、長男夫婦と美山荘でのもてなしに心を砕いている。中東和子著・井上隆雄写真「京都・美山荘花もごちそう」は、四季の移り変わりの中で、多彩な花や、木や、草の実などが、生け花や、食材などに工夫されて、客の視覚や、味覚を楽しませていくプロセスが、和子さんの心温まるエッセイと、美山荘を囲む、美しく多彩な自然の風物の爽やかな写真の数々によって浮き彫りにされている。7月の声を聞くころになると、美山荘の横を流れる寺谷川の暗がりに浮かんで揺れるホタルの青白い光、夏が終わり秋の訪れとともに、あかあかと照り映えていた葉は緑から黄色へと変わり、黄色の蔦紅葉は透き通る。すっかり花が絶えると山は実りの季節に入り、深い紫の通草(あけび)や、山ブドウ、黒や白の実を付けた野ブドウなどが、枯れた山を飾る。白一色の2月には、川緑の藪椿が懸命に紅赤の蕾を開く。いずれも女将の手で、美山荘の部屋々や、食卓、庭に飾られる。美山荘の春のもてなしは、もっぱら摘み草料理である。檜蕨、擬宝珠、紅葉笠、虎杖(いたどり)…。女将は、自然での採りものに多忙となる。お茶は、5月に伸びる通草の新芽を摘んだ通草茶。湯槽には菖蒲の香しい匂いが立ちこめる。美山荘から遠からぬ花背は、往時、文人墨客の避暑地だった。寺谷川の冷たい水は、夏には涼風を送り、自然のクーラーとなった。その川で獲れる鮎は、まさに香魚という別名に相応しい味と香りをもたらしてくれる。美山荘の庭で採れるつやつやとして赤いグミや、岩梨などは、果実酒にしてその愛らしい風合いを小粋なボトルに封じ込める。山里ならではの野趣豊かで、みずみずしい情感のこもったもてなしの数々は、想像しただけでも気分がほぐれてくる。(bk1ブックナビゲーター:高橋洋一/評論家2001.07.14)